体験者からのメッセージ

まちくさ博士とともに、企業や学校、NPOと「まちくさみっけ」に取り組んできた6年間で、「まちくさ」を中心にした人々の笑顔にたくさん出会いました。どのワークショップにおいても、自信をもって、時にはにかみながら、誰もがその魅力を語ります。そのたびに起こる、笑いやどよめき。「まちくさ」は、人と人、人と町とのつながりを生み出すことができる、最高の存在です。

井手上春香(NPO法人 子どもとアーティストの出会い 理事長)

「まちくさ」という名前が良い。ひらがなの字面と「道草」にも通じる語感とが相まって、関わる人をホッとさせる風情がある。
しかし「まちくさ」はその和みの中に、都市と人の生を抉るエッジィさを隠している。土とアスファルトの間、ビルとビルのすき間に根づきながら自生する「まちくさ」たち。彼彼女らをみつけ、名づけ、物語に思いをはせるとき。私たちは「まちくさ」に自らの似姿をみる。集まりながら隣近所の人たちの顔も知らず、時に自分自身すら見失ってしまうかに思われる都市の生活において「まちくさ」とは、自分たち自身を快復させ、それらをつなげて、都市に〈もう一つの〉生態系をつくりだす。そんなひそやかな革命ともいえる行為なのだ…と、思う。

奥脇嵩大(青森県立美術館 学芸員)
測量中
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